シマノのリールには、剛性感を重視したコアソリッドシリーズと軽量感を重視したクイックレスポンスシリーズの2シリーズがある。
すでにコアソリッドシリーズの20ツインパワーは所持しており、サーフでも快適に使用している。
ただ、ただ巻きならともかく、ジグをしゃくったり、リフトアンドフォールなど、巻く・止める動作を繰り返す釣り方をするときに、巻き出しの重さを感じることもあった。
そんな釣り方をする時に使いやすい、軽くありつつも剛性感を持っているリールを探していて見つけたのが、ツインパワーXD。
早速4000XGを買ってみたので、インプレしてみたい。
スペック
簡単にスペックを記載する。
4000XGはラインなしで245gであり、ノーマルツインパワーと比較すると15g軽量で、ノーマルツインパワーの3000番台と同じ重量。
糸巻量はPE1号で490m巻けるため、下巻き必須。
21ツインパワーを選んだ理由
大きな部分としてはクイックレスポンスシリーズに搭載されているマグナムライトローターであり、インフィニティループ(密巻き)が無くて、ほどほどの剛性感を求めたため。
マグナムライトローターって?
左右非対称のローター構造を採用し、操作性と感度の向上を求めて、異次元の回転軽さを実現したマグナムライトローター。さらにラインローラーの軽量化、ベールのチタン化、ローター肉厚の最適配置を行い回転慣性の低減に成功しました。
マグナムライトローター:シマノ公式より引用
要は、回転を軽く滑らかにするためにローターの軽量化とパーツを軽量化しました、ということ。
マグナムライトローターではない20ツインパワーと比較すると大きく肉抜きされており、軽量化されている。
肉抜きされたローターの軽量化により、ローターが自分で回ろうとする力(慣性力)を小さくして、感度をあげているだろう点が気になっていた。
ほどほどの剛性感
サーフの釣りでは、横ヨブや引き波などの流れの中にルアーを通すことや魚を引き出すことがあり、軽量化されまくっているヴァンキッシュをはじめとする既存のマグナムライトローター搭載機は剛性の点で使用が怖い部分があった。
この点で、21ツインパワーはローター以外はツインパワーと構成が同じで、クイックレスポンスシリーズシリーズ最強を謳っていることもあり、剛性も確保されていると見込んだ。
また、オフショアでも使用してみたけれど、剛性感の不足を感じることはない。
インフィニティループが搭載されていない
インフィニティループ、いわゆる密巻きが搭載されていないことを条件としたのは、横風や向かい風、波が荒れているときも使用したいと考えていたため。
22ステラを使用していて、風が強いときや波が荒いときにフローティングミノーや軽量ルアーをラインスラッグを出しながら使用した場合、ライントラブルに繋がる傾向があった。
21ツインパワーには、真冬を含めた荒れているときにも使用できることを目的として、非搭載モデルを選んだ。
風速7mの横風の中で釣りをしても当然問題なし。
デフォルトでラウンドノブが搭載されている
4000番のリールを買う場合、ステラをはじめとする汎用リールはT型のノブがデフォルトになっているけれど、個人的にはリールを巻くときに巻きやすいラウンドノブを好んで使用している。
デフォルトのノブからラウンドノブに交換する場合、上記のように追加でハンドルノブの追加購入が必要で、財布的にも厳しいものがあった。
その点、21ツインパワーXD4000XGはデフォルトでラウンドノブが設定されており、手間が掛からず良い。
なお、20ツインパワーと21ツインパワーXDの価格差は数千円あるけれど、20ツインパワーに夢屋のラウンドノブを装備すると実質的にツインパワーXDと同じ価格になる。
実釣インプレ
早速使ってみた。
ロッドは、Gクラフトモンスターサーフ1052、ラインはデュエルのアーマードF+フラットフィッシュ1.2号を使用。
巻き感
巻き感はステラと比べると大分落ちるだろうとイメージしていたが、フィールドで使用する分には気にならない。
むしろ、ローターの慣性が小さくなったことで巻きが軽く、巻きを止めやすい感覚もある。
滑らかさという観点では、十分なめらかなの巻き心地だと思うし、20ツインパワーよりだいぶ静かな感じがする。
剛性感
サーフではヒラメ、マゴチ、シーバス、ホシザメ、エイ、オフショアではマダイも釣っているが、全く問題なし。
マグナムライトローターとなっていたことで、重量やトルクのある魚をかけたらローターがたわんで巻けなくなるかもと心配していたけれど、そんなことはなかった。
大型青物を数釣るなら心配かも知れないが、サンデーアングラーでヒラメ狙いなら充分。
もしかして、XD(eXtra Durability)は、クイックレスポンスシリーズでみれば、耐久性特化ってことか…?
流れの感じやすさ
ローターが軽くなったことで、全体重量も軽くなり、流れを感じやすくなった。
サーフでもオフショアでもそうだけれど、流れの壁にルアーを当てたときが顕著で、明確にルアーの重さがリールを巻く手に伝わってくる。
糸を太くすると、波やら流れに糸を取られてルアーを引きにくくなるんだけど、巻きが軽く、糸捌きがしやすい印象がある。
ドラグの出方
実はこのツインパワーXDのドラグワッシャーは、カーボン製で他のリールの同じ番手よりもドラグの出方が渋いといわれているけれど、オフショアで大型の青物をかけた際もドラグで十分に対応できたため、誤差の範囲。
もし、ドラグの出方が渋くてばらすのであれば、それはドラグセッティングが間違っている。
まあ、サーフのヒラメ狙いでドラグを活用する機会はそんなにないが…。
持ち重りするのか?
軽量リールでサーフで使用するロングロッドに装着するとなると気になるのは持ち重り。
このツインパワーXDは軽量といっても、170gのロッドと合わせても持ち重りを感じない。
理由としては、コアソリッドシリーズと比較しても15g程度の差しかなく、軽量になってきているロッドでも十分につり合いが取れている。
マグナムライトローターはサーフの釣りでありなのか?
サーフの釣りにおけるマグナムライトローターは、実釣を踏まえて言うなら、かなりアリ、というのが今のところの結論。
主な理由は重量、巻きが軽くなめらかで快適性が高いため。
ひたすらただ巻きする場合は、コアソリッドシリーズのようにローターの感性を生かした方が疲れないが、ストップアンドゴーやリフトアンドフォール、ジャークを多用するならかなり快適。
ヨブなどの流れの変化を探して、変化するところでストップアンドゴーやリフトアンドフォールなどのアクションを仕掛ける釣り方をする場合、ローターに感性が働かず軽い方がよい。
ちなみに、疲れるといっても、長時間ぶっ通しで釣行した場合の話であり、通常の釣行であればマグナムライトローターの恩恵を受けることができる。
まとめ:どんな人におすすめか
21ツインパワーXDはメーカーがいうクイックレスポンスシリーズ最強の名にふさわしく、剛性感と重量のバランスが取れていると感じる。
シマノのリールの傾向からすると、軽量特化のクイックレスポンスシリーズと剛性のコアソリッドシリーズの中間の立ち位置となるため、いいとこどりをしており、バランスがよい。
このリールをオススメできるのは次のような人になる。
- クイックレスポンスシリーズがもう少し強ければなぁ、と思っている人
- アクションをつけたい人
- タックルを軽くしつつ、剛性感を確保したい人
- 20ツインパワーがうるさく感じる人
今回はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント