真冬でも手を暖かく保つために

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釣り

真冬の夜中や夜明け前に釣りをしていると、グローブをしていても、手がかじかんで痛くなったり、ルアーチェンジや餌付けがうまくできなくなったりして、帰りたくなった経験はあると思う。

今回は、真冬も快適に釣りやアウトドアをしたいあなたに、手を暖かく保つ方法をお送りします。

この記事のポイント

 〇 なぜ寒さを感じるか
 〇 釣り用グローブの選び方
 〇 根本的な寒さへのアプローチ方法

寒さを感じてしまう理由は?

手がかじかむ、言い換えれば寒さを感じるとは、どのような状態なのか調べてみた。

イラストがかわいいこの記事はすごくわかりやすく寒さを感じる理由を説明しているよ。

無理やり要約すると、常に筋肉が発熱していて、その熱は皮膚から常に空気中に放出されている。それで、寒いときには、体の表面の血管を収縮させて、通常は放出される熱を逃がさないようにしている、とのこと。

また、筋肉が多い相撲取りの話を取り上げているんだけれど、筋肉量が増えれて、基礎代謝が上がれば、多少は寒さに強くなることも読み取れる。

手の周りの空気が冷たくならない環境を作るには?

前段で、皮膚の周りの空気が冷たくなるから、寒さを感じるという記事を見つけたんだけれど、手の周りの空気を暖かく保つのはどのようにすればよいか考えてみた。

釣りをしていて手の周りが冷たくなる場合は、次のとおり。

釣りをしていて手が冷える要因

 ① 水にぬれる
 ② 肌に冷たい空気が当たる・手袋に入り込む
 ③ そもそもレイヤリングが間違っている
 ④ リールなどの金属から冷たさが伝わってくる

①水にぬれる

夏の暑い日に打ち水をやると、涼しくなって気持ちいいよね。

あれは、気化熱(蒸発熱)というもので、水が液体から気体に変わるときに周囲の熱を奪っていく現象で、気化するものによって奪われる熱量も変わるんだ。

病院で注射される前にアルコール消毒されて、ヒヤッとするけれど、あれもアルコールが気化するときに熱を奪っているためにそう感じているんだ。

アルコールは気化熱とウイルスの細胞を壊すことで消毒しているから、ぬれた手にアルコール液をつけても、本来の気化熱が発生しないから注意だよ。

そんな気化熱なわけだから、真冬に手を濡らしたまま作業を続けると、体温を保つために血流がなくなって、手が動かなくなってしまうね。

②肌に冷たい空気が当たる・手袋に入り込む

さっき紹介した記事の2ページ目でも、動物は毛を逆立てることで空気の層を体の表面に作っていることを紹介している。

筋肉が発熱して、皮膚から熱を放出しているとなると、そこに冷たい空気が当たると熱が逃げていくということだね。

つまり、暖かく保つためには体や手の表面に空気の層を作って、寒い空気が直接肌に当たらないようにすれば良いことがわかる。

③そもそもレイヤリングが間違っている

さっき紹介した記事には、寒いときに震えるのは、体が熱を作り出そうとしているためという記載もあった。

寒さで震えるようなときは、手が冷たいという状態ではなく、体が冷えていて熱を作り出そうとしている状態なので、すぐに撤収して温かいものを食べたり飲んだりした方が良いね。

そのうえで、全身の装備の再検討が必要だよ。

釣りで風邪をひいた日には、次回からの釣行は渋られること間違いなし。

④ リールなどの金属から冷たさが伝わってくる

真冬にアルミ製のパワーハンドルノブやロッドの金属パーツに触れていると、手が痛くなるよね。

金属系のパーツは熱伝導率が高く、外気温の影響を受けやすいため、手に冷たさが伝わってくるんだ。

例えば、アマゾンでベストセラーになっている上記のハンドルノブはアルミ製。

アルミ合金の熱伝導率は結構高くて、数値で言えば100~300W/(m・K)くらい。

この熱伝導率の単位の意味としては、以下のとおり。

熱伝導率к[W/mK]は厚さ1mの板の両端に1℃の温度差がある時、その板の1m2を通して、1秒間に流れる熱量をいいます。

熱伝導率 (osaka-kyoiku.ac.jp)

リールのハンドルやらリールフットなんかはすごく小さく、外気にさらされているから、熱が伝わりやすい(=冷えが伝わってきやすい)ことがわかるね。

一方、次に紹介するゴメクサスのハンドルノブはEVA製。

EVAは何に分類されるかというと、プラスチックになる。

プラスチックの熱伝導率は、0.1~0.6W/(m・K)くらいでアルミの100分の1くらい。

熱を伝えにくいのは、外気温に影響されにくいことと同じ意味であるので、冬にはEVA製やプラスチック製のハンドルノブにすると手元は冷たくなりにくいね。

※参考:熱伝導率一覧(金属・ステンレス・アルミ・空気・樹脂など) | 機械技術ノート (tec-note.com)

ここまでのまとめ:手を暖かく保つためには?

これまでの内容から、冬に手を暖かく保つためには次のことが必要だね。

手を暖かく保つために

 ① 防水性のある手袋を使う&濡れたらすぐふき取る
 ② 肌・手首を露出しない
 ③ 体の方をまずは暖かくする
 ④ 触れる部分はできるだけ金属以外のパーツにする

冬に求められる釣り用グローブの条件とは?

じゃあ、冬場の釣りにはどんなグローブがいいだよ、と聞かれれば、こんなグローブが良いと思うよ。

冬の釣りに求められるグローブの条件

 ① 防水性がある
 ② 手とグローブの間に空気の層を作ることができる
 ② 手首や腕の方まで覆うことができる
 ③ 操作性や感度が維持できる

① 防水性がある

まずは、手を気化熱から守ることが必要だね。

サーフの釣りでは、そこまで水にぬれることもないけれど、泳がせ釣りなどで水にぬれる機会が多い場合は、重要だよ。

防水性があっても、手袋の表面で気化熱が発生しているから、防水手袋でもぬれたら拭いた方が冷たくならなくて良さそうだね。

② 手とグローブの間に空気の層を作ることができる

空気の層を作ることで、皮膚の近くから逃げていく熱の量を減らすことができると考えると、こんな手袋は防寒には向かないのかも。

防寒に向かないグローブ

 ① 薄い
 ② メッシュなどの風を通す素材
 ② ピッタリフィット系で肌に密着する手袋・グローブ

上に挙げたものは、どれも空気の層を作ることが苦手で、熱が空気の層を通じて逃げていくことになるから注意したいね。

③ 操作性や感度が維持できる

これは釣りのやりやすさに通じる部分だけれど、これが確保できていないと途端にやる気をなくすため、必要な要素だと感じているよ。

厚手のゴム手袋を使ってみたけれど、キャスト・サミングはやりにくいし、手は疲れるしですぐにやる気がなくなってしまったよ。休憩&手袋を変えて続行したけど。

真冬の東北でも使えるあったかグローブ&運用

これから真冬を迎えるけれど、釣りに行きたい釣りキチは大勢いると思う。

ここでは、実体験に基づき、冬のグローブとインプレを記載したいと思う。

①シマノ(SHIMANO) タイタニューム・アルファ グローブ フルカバー

まずは、今年発売したこのグローブ。

特に保温性を重視する方に向けたタイタニューム・アルファ採用の冬用汎用グローブ。
保温性のあるタイタニューム・アルファに加え、手のひらには操作性だけでなく過酷な環境での使用を想定した耐久性を獲得するために合皮素材を採用。手のひら部分の合皮革を従来品と比べ厚くすることで安心感が向上しました。手首まで覆うロング仕様で防寒性にも優れています。手指の保温性を特に重視するアングラーに向けたフルカバー仕様です。

シマノホームページより引用

定価5,200円とだいぶいいお値段がするグローブで、だいぶ期待して購入したんだけれど、夜明け前の海風の前では、そこまで暖かさは感じられなかった。

日中、日差しの下では暖かく使えたが、夜間は縫い目から冷気が伝わってくる状況。

また、自転車通勤にも使えるかと思って、利用してみたが手の甲側から風が吹き込んでくるのか、そこまで使える印象ではなかった。

また、完全防水ではなく、浸透しにくい程度で水がかかると中にしみこんでくる。

感度・操作感が維持されており、スナップの交換は比較的やりやすいと感じた。

総合評価:★★☆☆☆(日中のみなら★★★★☆)

②TM-338 THE MAX THERMO PLUS 防寒ゴム手袋

①が釣りにも通勤にも使えないことが発覚してから、近所のワークマンを物色し発見。

お値段580円と格安で、分厚いゴム、裏側のもこもこ、防水性を評価し、購入。

実釣してみて、3キャストで嫌になった。

それは、ゴムが分厚く何やっているかわからない、リールを巻く手が硬くてうんざり、という状況が原因。

確かに暖かくて、防水性があってよいが釣りの楽しみのほとんどが手袋でなくなってしまっていることを感じ、使用中止。

洗車や掃除などの作業用には最適化と思う。大掃除にどうぞ。

総合評価:★☆☆☆☆

③Foxfire エクストリームハンドウォーマー

フォックスファイヤー エクストリームハンドウォーマー

①、②と失敗したことから、ネットの海を徘徊して実績がありそうなものを探した結果、発見。

手のひらや指先が露出しているため、東北の冬にどこまで耐えられるかは未知数だけれど、①の手袋と組み合わせて運用すれば、暖かいのではと考え、購入。

①と組み合わせて感じるのは手首の暖かさ。

手首の温度が保たれているからなのか、夜間でも冷えを感じず、快適に釣りをすることができた。

気温が氷点下までいかない地方や日中であれば、ワークマンなどの薄い作業用手袋との組み合わせで十分ではないかと感じるほど暖かかったよ。

また、グローブの上につけた方が、ゴムが引っかからないため素手につけた時よりも脱着しやすい印象。

おそらく、アジングなどの軽量タックルで金属に触れる面積が小さい釣りなら、グローブはいらないのではと感じた。

サーフの釣りは、ロッドのパーツやリールの大きさから、グローブをしないとしもやけになるかも?

お値段が張るのがネックといえばネックか。

総合評価:★★★★☆

本日はここまで。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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